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【コラム】~医療関連企業の皆さん、反社会的勢力との関係遮断は大丈夫ですか?(前編)~

2019.07.10

最近、テレビでは、反社会的勢力と芸能人との関係が数多く取り上げられ、話題になっていますよね。
そのため、一度は、テレビや新聞などのメディアを通じて、反社会的勢力という言葉を耳にすることがあった人も多いのではないでしょうか。
メディアでは、芸能人と反社会的勢力との関係が取り上げられていますが、企業も、反社会的勢力と関係を持つことで、大きな問題となり得ることもあるのです。
この機会に、企業の皆さんに、「これって大丈夫かな?」と一旦立ち止まっていただき、適切な判断・行動ができるように、反社会的勢力との関係遮断の基本的な事項について考えてみたいと思います。

【そもそも、反社会的勢力って何?暴力団とは違うの?】
「反社会的勢力」とは、どのような集団又は個人を指しているのでしょうか。そもそも、この点を理解されていない方も多いかと思います。
ここで、「反社会的勢力」とは、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」をさすといわれています。
すなわち、暴力団、暴力団の構成員、暴力団関係企業(いわゆる、フロント企業)は含まれます。最近は、暴力団に関係する企業が一般の企業を装って企業活動をしており、反社会的勢力と気付かないこともあるので、注意が必要です。
もう一つ注意が必要なことは、最近は、振り込め詐欺など他人を騙して金銭を取得するグループも多く存在し、暴力団組織以外のこのような振り込め詐欺グループも反社会的勢力に含まれます。その他、総会屋等も含まれます。
現在は、暴力団かどうか一見して判断ができないことが多くなり、また、暴力団以外であっても反社会的勢力に含まれる集団又は個人もいるので、反社会的勢力の範囲が広く、関係性を持って良い団体又は個人か否かを慎重に判断する必要があります。
法務省HP「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji42.html)では「暴力団の不透明化や資金獲得活動の巧妙化を踏まえると、暴力団排除意識の高い企業であったとしても、暴力団関係企業等と知らずに結果的に経済取引を行ってしまう可能性がある」との指摘があるとおり、現在では、知らず知らずのうちに関係を持ってしまっていることがあり得ることも意識していたほうがいいですね。
なお、上記以外でも、暴力団の維持・運営に協力する者、暴力団と密接な関係を持つ者、元暴力団員(特に、暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者)との関係遮断をすることも、企業防衛の観点では重要なことです。

【なぜ、反社会的勢力との関係遮断が必要なの?】
反社会的勢力との関係を遮断するべきといわれていますが、なぜ、反社会的勢力との関係遮断が必要なのでしょうか。以下に、その理由を列挙してみたいと思います。
1.反社会的勢力を社会から排除し、反社会的勢力に資金獲得をさせないことで、反社会的勢力の資金源に打撃を与え、反社会的勢力の活動を抑止することに繋がります。このようにして反社会的勢力に打撃を与えることが、治安維持に繋がるわけですね。
2.企業が率先して反社会的勢力との関係遮断を徹底することが、企業の社会貢献、社会的責任を全うするということになることから、反社会的勢力との関係遮断は、企業にとって必要かつ重要です。
3.企業防衛という視点も重要です。反社会的勢力は、企業や企業で働く従業員に対して不当要求を行ったり、企業自体の乗っ取ることがあり、企業が反社会的勢力との関係遮断をすることで企業防衛に繋がります。
4.反社会的勢力との関係を持つことは、知らず知らずのうちに(不注意にも)犯罪に加担させられていることがあり、犯罪の抑止という観点からも重要です。
5.社会的に反社会的勢力との関係遮断の要求が高まっています。そのため、企業や働く従業員が反社会的勢力との関係があった場合、企業は社会からの信頼を失い、企業価値は著しく低下し、その結果、会社の著しい売上の低下、ひいては会社の存続自体を危うくすることにもなりかねません。この視点も企業防衛の一環として重要なことです。
以上のとおり、反社会的勢力との関係遮断が必要な理由は、考えられるだけでも数多く存在します。
医療関連企業の皆さんも、反社会的勢力の範囲や反社会的勢力と関係遮断が必要な理由をしっかり理解し、日々の業務に活かしてください。
次回は、反社会的勢力との関係を持つことの不利益や反社会的勢力との関係遮断の対策について基本的な事項を考えてみたいと思います。

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