日本医療安全調査機構は、転落、転倒した患者に関しては異常がなくてもCTで頭部を検査するよう勧める等の提言を発表しました。
近年、頭痛等の症状を訴えて救急搬送された患者について、医師にCT検査による検査義務違反があるかが問題とされたケースでは、第一審判決（横浜地方裁判所平成29年6月8日判決）が医師の検査義務違反を否定したのに対し、第二審判決（東京高等裁判所平成30年3月28日判決・判例時報2400号5頁）は、第一審判決を取り消して医師の検査義務違反を肯定し、患者側を逆転勝訴させる判断も出されています。
以上のように転落、転倒した患者や頭痛を訴えて救急搬送された患者に対しては、CT検査を行う必要がないかより慎重な判断が求められていると言えます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45672120U9A600C1CR8000/
（日本経済新聞・2019年6月5日）
https://www.medsafe.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=1
（一般社団法人日本医療安全調査機構・医療事故の再発防止に向けた提言）